世界規模でのグリーンパパイヤの研究、土壌細菌叢の研究

【NewsLetter_201512】 Norovirus

ニュースレター

新規遺伝子型ノロウイルスGII.P17-GII.17、
世界的流行の兆しに警告。

  ノロウイルス(Norovirus:NoV)は冬場に多発するウイルス性の感染性胃腸炎を引き起こす主要な病原体です。感染力が強く、大規模な食中毒など集団発生を起こしやすいため、学校や医療・福祉施設では特に注意が必要です。
 ノロウイルスにはグループIからVまでの5つの遺伝子群が存在しています。ヒトに感染するのはグループI、II、IVですが、グループIVによる感染症の発生は少なく、グループII(以下GII)が主流とされています。また、各グループから検出される遺伝子型にも数種類あります。その数はグループIで9種類、GIIは22種類も存在し、しかもシーズンごとに変化することが知られています。これはノロウイルスのゲノム(核酸)において頻繁に遺伝子の組換え(キメラウイルスの出現)が行われているからです。体内で抗体を作っても、次には新しいタイプのウイルスが侵入してくるため、感染を防げるとは限りません。
 国立感染症研究所の病原微生物検出情報(IASR)によると、昨冬シーズンに新たな遺伝子型のノロウイルスGII.P17-GII.17が検出されており、2015/16シーズンに大流行する可能性があると注意を呼びかけています。このGII.17は国内だけでなく、中国や台湾での検出報告もあり、特にアジア諸国での検出数が増加しています。米国でも散発的に検出されていることから世界的な大流行が懸念されており、海外旅行にも十分注意が必要です。また、受験シーズンと重なるため、受験生への感染は特に心配するところです。

ニュースレター

ノロウイルスのゲノム(核酸)は,ORF1(ウイルスの複製に関与する非構造蛋白質をコード),ORF2(構造蛋白質VP1をコード)、ORF3(VP2をコード)の3つの読み取り枠があります。ノロウイルスはORF1とORF2のジャンクション領域で,ゲノムの組み換えを起こします。組み換えを起こしているウイルスはキメラウイルスと呼ばれノロウイルスの分類を複雑にしている要因の一つであるとされています。
※模式図出典一 「福田伸治, 長期流行を繰り返すノロウイルス遺伝子型GII.4 の特徴と変遷、一般財団法人食品分析開発センター http://www.mac.or.jp/mail/131001/01.shtml 2015 年9 月14 日閲覧」

研究論文で報じている、病原性細菌に対して期待できる
バイオ・ノーマライザーの静菌作用をご紹介します。

静菌作用によってノロウイルスからの重症を防ぐ。

バイオ・ノーマライザーには、消化管に見られる日和見性細菌と病原性細菌の成長を抑制する咬筋能力があります。そのため胃腸感染による障害から身体を防御できることが岐阜大学大学院連合農学研究科と岡山大学医学部分子細胞医学研究施設 神経情報学部門、サント トマス大学 自然科学研究所 ( フィリピン) との合同研究によって示唆されています。

● 患者の消化管から採取した標本を実験室で培養。日和見性細菌と病原性細菌の繁殖は、最小限に抑制された。

● Erwinia sp.菌に対しては、殺菌活性が示唆された。

● 老齢ラットへの長期経口投与により、皮質、中脳、橋-延髄、小脳のミトコンドリア分画および細胞質分画のSOD活性が増強した。

● FeCl3誘導によるラット大脳皮質てんかん焦点の脂質過酸化の指標であるTBARS生成を有意に抑制した。