世界規模でのグリーンパパイヤの研究、土壌細菌叢の研究

【NewsLetter_201602】 Pollen_allergy

ニュースレター

花粉症の症状がひどくなるメカニズム

  今や日本人の10~20%が花粉症ともいわれています。花粉症は、花粉を「抗原」とする鼻粘膜と結膜のアレルギー性の病気です。花粉が体内に入ると、花粉を異物(抗原)とみなし、これに対抗する免疫反応によって抗体「IgE」をつくります。肥満細胞にはIgEに対する受容体FcεRIがあり、ここで抗原を確認します。肥満細胞には粘膜型肥満細胞と結合織型肥満細胞があり、鼻や目の粘膜には粘膜型肥満細胞が沢山あります。
 花粉症患者の粘膜型肥満細胞にはすでにIgE抗体が結合されていて、花粉の抗原成分をとらえると粘膜型肥満細胞が活性化され、ヒスタミン(Hi)やロイコトリエン(LTs)などの化学伝達物質を放出します。これらの物質が知覚神経や腺、血管を刺激し、くしゃみや鼻漏、鼻閉といった症状を引き起こします。これを、即時相反応といいます。このような反応が繰り返されると、インターロイキンやインターフェロンなどの炎症細胞動員因子が放出され、鼻では好酸球が増加し、上皮細胞の傷害が生じます。すると、さらに粘膜の過敏性が亢進します。これが遅発相反応といって、花粉症の症状がどんどんひどくなっていくメカニズムです。
 抗ヒスタミン薬はヒスタミンの受容体FcεRIをブロックし、その働きを抑えてアレルギー症状を緩和するものです。短時間で効果が現れ、すでに起こっている症状を鎮めるのに有効です。ただし、遅発相反応が発現し、症状が重くなってしまった場合は簡単には改善しません。

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 LTS:ロイコトリエン、TXA2:トロンボキサンA2、PGD2:プロスタグランジンD2、PAF:血小板活性化因子、IL:インターロイキン、GM-CSF:顆粒球/マクロファージコロニー刺激因子、IFN-α:インターフェロン-αTARC:thymus and activation-regulated chemokine、RANTES:regulated upon activation normal T expressed, and presumably secreted、TCR:T細胞受容体

 抗ヒスタミン薬と抗ロイコトリエン(LTs)薬についで対処されるのが化学伝達物質遊離抑制薬です。肥満細胞からの炎症細胞動員因子(化学伝達物質)の放出を抑制し、好酸球・好中球・好塩基球・リンパ球の活性をともに抑制します。この他にも数種類の薬が用いられますが、そもそも人の体内にはヒスタミンを分解無毒化させるジアミンオキシダーゼ(以下DAO)を作る能力を備えています。
 しかし、公害やストレスなどを原因に、現代人のDAOの生産能力は年々低下しています。また、食生活の変化もDAOの生産能力低下の原因の1つといわれています。食事が偏るとDAOの生産に必要なビタミンB6、マグネシウム、亜鉛、ビタミンC、必須脂肪酸が不足します。青パパイヤは、これらの栄養素が豊富に備わっています。また、その青パパイヤを発酵したバイオ・ノーマライザーには炎症性細胞の過剰な免疫反応を正常化させる働きがあります。また、花粉などの抗原を貪食するマクロファージのフリーラジカルを抑制するSODを活性します。

研究論文で報じている、病原性細菌に対して期待できる
バイオ・ノーマライザーの静菌作用をご紹介します。

静菌作用によってノロウイルスからの重症を防ぐ。
バイオ・ノーマライザーは炎症性の好中球やマクロファージに多様な効果を示し、好中球の機能(遊走と
酸素ラジカルの産生)に抑制作用を示した反面、マクロファージの遊走や食作用、スーパーオキシドの発
生に対し活性作用を示します。さらに、炎症性マクロファージのSOD 活性を増強する一方で、炎症性の好
中球や赤血球および血しょう中のSOD 活性に対しては効果を示さず、酸化促進剤キノン・メナジオンの
誘導による赤血球のスーパーオキシダントの発生に低下作用を示しました。

● 花粉などの抗原を貪食するマクロファージのフリーラジカルを抑制するSODを活性します。

● 酸化促進剤キノン・メナジオンの誘導による赤血球のスーパーオキシダントの発生に低下作用を示しました。